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『螢』 麻耶雄嵩 うまく騙された

題名 螢
著者 麻耶雄嵩


読み終えてすぐの感想では、

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19章、20章、エピローグを読み終えた今、結末が腑に落ちないし、全体がかすんでいるし、です。
読者をミスリードさせるために置いてあったポイントを読み飛ばしてしまったのかもしれません。
ちゃんと読んでいるにもかかわらず、作者の意図を理解できていないのかもしれません。著者のトリックをまるで理解しないまま読み終えてしいました。
~~~

とコメントをしました。


どうにも納得できなかったということもあり、読み返してみました。

読み返してわかったことは、
麻耶雄嵩の敷いたレールに正しく乗っていた
と、いうことです。


以下トリックについて言及します。


ネタバレになってしまうので、まだ読んだことのない人は読まないでください。


次の2つがトリックとして考えられる点です。

1.諫早が話を進めているのではなく、長崎であった。
2.松浦千鶴が弟に成り代わってアキリーズの所属していた。


「1.について」
何かのアクションをする直前で諫早の名前が呼ばていたため、続く地の文を読んでも諫早の目線として読んでしまっていました。
まさに狙い通りというわけです。
ぐうの音も出ませんでした。


「2.について」
千鶴が弟に成り代わっているというのは流石に気が付きません。
気が付けません。
それは、千鶴が弟に成り代わっていることを唯一知っている長崎の目線で話を進めるため、千鶴を松浦せず、千鶴として地の文に登場させてしまっているからでしょう。
それに、登場人物表にも千鶴は載っているけれども弟は載っていません。
この登場人物表も長崎が作ったという設定であれば別です。
さすがにそれは意図していないでしょう。


また、個人的ですが、19歳の女性が男装をしたところで何か月も女性であることに気付かないはずはありません。
アキリーズのメンバーが木偶ばかりであったならば別ですが。
映像にしても騙せるようであれば納得します。


以上より、半分だけ騙されたということにさせてください。


最後に、

エピローグで生き残っていた一人は誰なのでしょうか。
誰が生き残っていても、あまりストーリー上問題にはならないでしょう。
でも、やはり、気になります。
歴史は繰り返されるということを匂わしていますか。
音に影響された長崎が次の殺人鬼として生き残ったという落ちなのでしょうか。


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