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秋限定栗きんとん事件 米澤穂信

秋限定栗きんとん事件(上)(下)
米澤穂信

秋限定栗きんとん事件 米澤穂信
高校2年の夏休みに小佐内ゆきとの互恵関係を解消した小市民を目指す小鳩常悟朗は、放課後の教室に呼び出され、クラスメイトからの告白で新たな交際を始める。
時を同じくして小佐内ゆきも、新聞部の1年生である瓜野からの告白で交際を始める。

そんな彼らの住んでいる木良市では、連続放火事件が発生していた。
前々から学校外の事件を取り上げたかった瓜野は、たまたまコラムスペースを確保し放火事件の調査に熱を帯びる。
小鳩は、小佐内の影が見え隠れする連続放火事件のなぞ解きを始めてしまう。





本を読んでいると、意味がわからないまま、勝手な解釈で読み飛ばしてしまう言葉が多くあるる。
気になったので、本シリーズで使われている2つの言葉、「互恵関係」「小市民」について確認してみることにした。

互恵関係:互いに特別の便宜や利益を与え合うこと。
小市民:《(フランス)petit bourgeois》資本家階級と無産階級との中間に位置する人々。小規模の生産手段を所有し自らも労働する、自営の商工業者や自営農民のこと。中産階級・中間階級ともよばれる。プチブル。
出典:goo辞典

「互恵関係」は考えていた通りで、問題なし。
対して、「小市民」は的外れだった。「小市民」=「何処にでもいる市民」としてとらえていたが、実際のところは無産階級のことではなく中産階級のことであり、自主的に活動するの人たちのことらしい。それなら、事件を解決しようと自ら動く小鳩と小佐内は、既に小市民たる資格を得ていると言っていいように思われる。
じゃあ、なぜ、小鳩も小佐内もすでにその立場であるにもかかわらず、その立場になることを望んでいるのだろうか…

夏限定トロピカルパフェ事件 米澤穂信

小市民たることを望む僕(小鳩常悟朗)は、高校2年生の夏休みを同じく小市民たることを望む小佐内ゆきとともにスイーツ巡りをすることになった。

そんなある日、小佐内に呼び出され、彼女の作成したスイーツセレクションベスト10のうちの1つに向う。待ち合わせ時間までにはまだ少しあるし、昼を食べそこなった僕は近くのハンバーガーショップに入っり、知人の堂島健吾に会う。健吾は、彼女のお姉さんが薬物乱用グループから抜け出せないでいることを相談されて張込をしているところだった。
そして、そのハンバーガーショップには、皮のジャケットを着てロッカーに変装した小山内ゆきの姿も。

小市民を心がける僕は、健吾の追いかける事件に巻き込まれてしまう。もっと大きな事件に巻き込まれることも知らずに。

無事、事件が解決したとき、小鳩と小山内との互恵関係にも終止符が打たれる。


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ホワイトラビット 伊坂幸太郎

ホワイトラビット 伊坂幸太郎
ホワイトラビット 伊坂幸太郎

自分の属する犯罪祖危機に妻を人質に取られ、人探しを命令された兎田は、仙台の十諾外で立てこもり事件を引き起こす。
その事件に、泥棒であり探偵である黒澤が巻き込まれてしまう。

そう!
これは、ミステリー。
謎が隠されている。
今回は、そのことが頭から抜け落ちていた。
勝手に黒田が活躍するハードボイルドだと思っていた。
途中で「おかしい…?」とは気づいていたのだが。
それも、かなり早いうちから。

「やられた!」ではなく、「うん、うん。そうだよね~」と、言いながら読み終えたかった者からのアドバイス。
作者からのネタ振りを見逃さないように目を凝らすだけでなく、登場人物がいつ、どこで何をしているのかを確実に押さえてみて!

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いちご同盟 三田誠広


文庫本の第1刷が1991年10月で、2020年6月には第61刷の三田誠広のいちご同盟。
今更という感じはしたのだけれども手に取ってみた。

中学三年生の北沢良一が音楽室でピアノを弾いているときに、野球部のエースの羽根木徹也が次の試合をビデオに撮影してくれと頼みに来る。
そのビデオを見せるために訪れたのは、徹也の幼馴染の上原直美が入院している病院。
知り合ったばかりの直子に思いを寄せるようになる良一ではあるが、直子がいないと自分は駄目だと漏らす徹也に遠慮がある。
直子の2回目の手術の日、2人は彼女のことを100歳になるまで覚えておこうと約束を交わす。



青くて切なくて息苦しくなるような、自分が通ることが無かった道を見せてくれる。
だから、小説が好きです。

青くて痛くて脆い 住野よる


悲しいというよりも、寂しい結末。
不安定な青春の物語。
読み終わっても心が晴れることはなかったが、嫌いではない。



人に不用意に近づきすぎないことと、誰かの意見に反する意見をできるだけに口にしないことを人生のテーマに決め大学生活を始めたことを決めた田端楓。
授業中に突然質問をしていいかと挙手をして、自分の意見を言い出す秋好寿乃。

学食で一人食事をしていた楓は、寿乃から声をかけられる。
お互いひとりぼっちであったこともあり交流を始め、4年間でなりたい自分になることを信念に活動をする『モアイ』を結成する。
結成当初は、世界中のスクープ写真の写真展に行ってみたり、ヘイストスピーチへの反対を訴え続ける作家の講演会に行ってみたり、戦争についてのドキュメンタリー映画を見に行ったり。

2人で始めた活動も、数か月の時を経て多くの人が集い始めた。
肥大したモアイには、理想を持っていた寿乃はもう居ない。
そして、楓はモアイの元を離れていく。

就職活動がひと段落した楓は、この2年半で全く別物になってしまったモアイを、寿乃が理想とした昔のモアイに戻すために動き始める。

後悔しか残らない結末に向かって突き進む。


これまで読んだ、住野よるの作品の中では、「君の膵臓を食べたい」に次いで好きな作品です。



高校事変Ⅶ 松岡圭祐

高校事変Ⅶ 松岡圭祐

おすすめ:☆☆☆



本シリーズ1巻目よりも少し前。
優莉結衣は、在籍する泉が丘高校の応援に参加するため、高校野球春の選抜に沸く甲子園にいた。
不審な動きを見せる教師と警官を装う6人の男たち。
もともと、母校の応援に何の興味もない結衣は、怪しげな行動をする6人を追いかける。
その渦中、2人の人間を殺すこととなったが新聞に取り上げられることもなく、追及が結衣に及ぶこともなかった。

沖縄への修学旅行を終えた結衣は、芳窪高校を除籍となり京都にある緊急事案児童保護センターに入所していた。
そこに、甲子園署の刑事がやってきて、1年前の事件の取り調べをするべく結衣を連れ出す。

再び始まる、甲子園球場での騒動。
敵は、悪徳警官にベトナム半グレ組織の残党たち。
結衣が負けることはないという絶対的な安心感をもって読めるところがこのシリーズの良いところ。

これまでの流れで、田代槇人が全ての元凶であることにたどり着いていたと思ったが、どうやら彼らも捨て駒の一つでしかなさそうである。
全ては、シビックが利益を得んがためにしていることの一角を担っていただけということの様にも匂わせているがまだ裏がありそうで、目が離せない。

高校事変Ⅵ 松岡圭祐


女子高生の優莉結衣が武器を手にして、悪党たちを一掃するアクション小説の第6弾。

今回の舞台は、修学旅行でやってきた沖縄。
その沖縄で結衣は、地元の暴力団である「権晟会(ごんじょうかい)」と、権晟会に武器の横流しをしているアメリカ軍の武器の移送、メンテナンスを請け負っている民間軍事会社ラングフォードの壊滅に乗り出す。



松岡圭祐の作品は、相変わらず期待通り。
今回も作品内で、カルロスゴーンの密出国について触れている。
また、少々強引ではあるが、修学旅行の行き先変更を原因に新型コロナウイルスを盛り込んでいる。
今、世間で起きている話題をふんだんに取り込むので、発売直後に読むのが楽しい。
どのニュースをどうアレンジして取り入れてくるのか。
あらかじめ予想して読むようにしている。

来週の5月22日は、「高校事変Ⅶ」の発売予定日である。
ステイホームが続き、時間を持て余しているのであれば、どんな時事ネタを取り込んでくるか期待をしながら楽しめる高校事変シリーズをお勧めしたい。おすすめ ☆☆☆
(女性にはお勧めしにくいです。)

おすすめ ☆☆☆
(でも、女性には一寸お勧めしにくい作品です。)

プロフィール

春巻

Author:春巻
好きなこと。
写真を撮ること。
本を読むこと。
美味しいものを食べること。

人に迷惑をかけない範囲で、やりたいことやりたい。

最近の出来事

少し前に冷蔵庫が壊れた。
交換部品は基板とコンプレッサー。
滅多に起きないだろうけれども、家電量販店の10年保証に助けられた。

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